ディフェリン以外のニキビ治療薬

ディフェリンと一緒に処方される薬を紹介します。

ニキビ治療には数種類の薬が処方されることが多いです。
以下にそのほかのニキビ治療薬の目的を挙げておきます。
これらの薬を単独、あるいは組み合わせて投与し、ニキビが増悪する悪循環を断ち切っているのです。
特に抗生剤とディフェリンとの併用により、悪化したニキビの治療にも応用できるのではないか(東京女子医科大学川島眞教授)と言われています。

目次

外用薬

リンコマイシン系抗生物質
ダラシン
Tゲル
リンコマイシン系の抗生物質で、細菌のたんぱく質合成を阻害することで、抗菌力を発揮します。 プロピオネバクテリウム属(アクネ菌)およびブドウ球菌属による尋常性ざ瘡(にきび)に用いられる外用剤です。
ダラシン
ローション
ニューキノロン系抗生物質
アクアチムクリーム
ニューキノロン系の抗菌剤。主成分ナジフロキサシンは細菌のDNAの複製を妨げ、殺菌的に作用します。 アクネ菌やブドウ球菌などを殺菌します。
アクアチムローション
アクアチム軟膏

内服薬

テトラサイクリン系抗生物質
ミノマイシン
テトラサイクリン系の抗生物質で、細菌の蛋白質の合成を阻害することで、その増殖を抑えます。静菌的もしくは殺菌的に作用します。 副作用にめまいや胃腸障害があります。
ビブラマイシン
テトラサイクリン系の抗生物質で、細菌の蛋白質の合成を阻害することで、その増殖を抑えます。静菌的もしくは殺菌的に作用します。
マクロライド系抗生物質
ルリッド
マクロライド系の抗生物質。細菌の蛋白質合成を阻害することで、その増殖を抑えます(静菌作用)。高濃度では殺菌的に作用し、細菌の発育を抑制します。
クラリシッド
マクロライド系の代表的な抗生物質。細菌の蛋白質合成を阻害することで、その増殖を抑えます(静菌作用)。高濃度では殺菌的に作用し、細菌の発育を抑制します。
クラリス
マクロライド系の代表的な抗生物質。細菌の蛋白質合成を阻害することで、その増殖を抑えます(静菌作用)。高濃度では殺菌的に作用し、細菌の発育を抑制します。
セフェム系抗生物質
バナン
セフェム系の第3世代の抗生物質です。副作用の少ない安全性の高いことも特徴の一つです。
細菌の細胞壁の合成を抑えることで、殺菌的に作用します。
セフゾン
セフェム系の第3世代の抗生物質で細菌の細胞壁の合成を抑えることで殺菌的に作用します。
フロモックス
セフェム系の第3世代の抗生物質で細菌の細胞壁の合成を抑えることで、殺菌的に作用します。
副作用の少ない安全性の高い抗生物質です。
ニューキノロン系抗生物質
クラビット
ニューキノロン系といわれる抗菌剤で、細菌の遺伝情報物質(DNA)の複製を妨げることで、殺菌的に作用します。旧来の抗菌薬に比べ抗菌力が強く、いろいろな細菌に有効です。病巣への移行がよいのも特徴です。
オゼックス
ニューキノロン系といわれる抗菌剤で、細菌の遺伝情報物質(DNA)の複製を妨げることで、殺菌的に作用します。
スパラ
ニューキノロン系といわれる抗菌剤で、細菌の遺伝情報物質(DNA)の複製を妨げることで、殺菌的に作用します。グラム陽性菌だけでなく,陰性菌にも殺菌的に作用します。 副作用に日光過敏症があります。
シプロキサン
ニューキノロン系といわれる抗菌剤で、細菌の遺伝情報物質(DNA)の複製を妨げることで、殺菌的に作用します。
ペネム類
ファロム
細菌の壁の合成を障害することで、殺菌的に作用します。細菌が産生する抗生物質分解酵素のβラクタマーゼにも安定しています。
グラム陽性菌,グラム陰性菌の両方に効く、広域作用性の抗生物質です。
セフェム系に対し、耐性をもつ菌にも効きます。
下痢の副作用がやや多いほうです。

抗炎症剤

スタデルムクリーム
非ステロイド性の抗炎症薬です。
炎症によって起こっている皮膚の発赤や腫れ、痛みやかゆみなど炎症による症状をやわらげます。
ただし、症状をとる対症療法薬ですので、病気の原因そのものを治すことはできません。

ビタミンB2製剤

フラビタン
フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)という補酵素型のビタミンB2です。ふつうのビタミンB2より、効果の発現が早く効率よく作用します。 ビタミンB2は、糖分や脂質、たん白質などの代謝に欠かすことのできないビタミンで皮膚や粘膜を正常にたもつ働きもします。不足すると、ニキビ、口内炎や口角炎、湿疹、結膜炎などの原因になります。ビタミンB群は水溶性ビタミンなので、尿から容易に排泄されます。強い作用 があるとはいえませんが、副作用の心配はありません。ニキビに対しては、皮脂分泌の抑制効果を期待して処方されます。

ビタミンB6製剤

ピドキサール
リン酸ピリドキサールという補酵素型のビタミンB6です。ふつうのビタミンB6より、効果の発現が早く効率よく作用します。 ビタミンB6は身体の新陳代謝を円滑に進めるために欠くことのできないものです。
皮膚や粘膜を正常に保ち、神経や血液の働きにも重要な役わりをしています。
一般的な用途としては、口内炎や湿疹、にきびなどに広く用いられています。
ニキビに対しては、ターンオーバーの改善を期待して処方されます。

ビタミンC製剤

シナール
ビタミンCとパントテン酸を配合した複合ビタミン薬です。
ビタミンCは繊維成分(コラーゲン)の生成にかかわっています。また、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑えたり、体の抵抗力を高める効果も期待できます。
パントテン酸(ビタミンB5)は、糖分や脂質、たん白質などの代謝にかかわるほか、皮膚を正常にたもつ働きをします。

保湿剤

ヒルドイドソフト
保湿作用のほか、血行をよくする作用があります。
ニキビには皮膚の水分の補てん、(角質軟化による)毛穴の閉塞改善を期待して処方されます。
ビーソフテンローション
保湿作用のほか、血行をよくする作用があります。
ニキビには皮膚の水分の補てん、(角質軟化による)毛穴の閉塞改善を期待して処方されます。

イオウカンフルローション

角質柔軟作用、殺菌作用を持ちます。

ホルモン剤

メサルモンF
皮脂分泌を抑制し、ニキビを防ぎます。
男性ホルモンを抑制し、ホルモンバランスを正常化、安定化します。
ジオール
黄体ホルモンの代謝産生物ですが,黄体ホルモン作用はありません
皮脂分泌量の減少効果が期待できます。

漢方製剤

荊芥連翹湯
(ケイガイレンギョウトウ)
荊芥連翹湯という方剤です。化膿や炎症をおこしやすい症状に用い、体質改善を図ります。
体の熱や腫れをひき、病因を発散させ、また、血液循環をよくします。具体的には、炎症をともなうニキ ビに適応します。体力が中くらいで、血行が悪く皮膚の色が浅黒い人に向いています。
清上防風湯
(セイジョウボウフウトウ)
顔・頭の発疹で,赤く化膿しているものに用い,毒を除き充血炎症を鎮めます。顔の熱や炎症をさます作用が期待でき、とくにニキビの治療に適します。顔色のよい元気な若い人で、きれいな赤色のニキビが多いときに最適です。体力のある人で、赤ら顔の人に向く処方です。
十味敗毒湯
(ジュウミハイドクトウ)
皮膚の赤みやカユミを発散し、腫れや化膿を抑え、体質改善を図ります。
体力が中くらいの人に向く処方です。
桂枝茯苓丸加よく苡仁
(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)
血行をよくして熱のバランスを整えることで、のぼせや冷えを改善し、子宮などの炎症をしずめます。また、肌の状態をよくする効果も期待できます。
比較的体力があり、生理不順や生理痛、頭痛、めまい、肩こり、のぼせ、足の冷えなどのに用い、血行をよくします。ニキビやシミことに赤紫がかったものに、また、肌 荒れなどにも好んで用いられます。
当帰芍薬散
(トウキシャクヤクサン)
一般的に女性に用いることが多く、血行をよくして体をあたため、貧血症状を改善します。ホルモンバランスを整える効果も期待できます。

ピーリング剤 (フルーツ酸、ビタミンA誘導体(トレチノイン)など)

毛穴の閉塞の改善
*ピーリング剤とデフェリンゲルの併用は基本的に行いません。

ビタミンCローション(活性酸素除去、皮脂分泌抑制)

リン酸エステル型ビタミンC誘導体ローション
アプレシオ(APPS)ローション

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