ディフェリンに関するQ&A

普段、診察をしていて、よく患者さんに質問されることのほか、同業者の先生やメディアの方などに質問されることをまとめました。

目次

ディフェリンで副作用がでました。医師に「あなたはこの治療に向いていない、他の方法で治療しよう」と言われました。

ディフェリンは通常の薬のように決められた分量を単純に塗布するというより、薬によるお肌の反応を見ながら患者さんに様々な指導することが、その有効性を最大限に発揮させることができます。
ディフェリン治療の経験の浅い医師が処方したところ、まったく改善されずに治療を中止したという話を耳にしたことがあります。
ディフェリンゲルによるニキビ治療を完全に中止するということになった場合は、「セカンドオピニオン」を求めて他の先生に診察していただくことも考慮されるとよいかと思います。(新しい先生にこれまでの経緯をきちんとお伝えするようにしましょう)
ディフェリンを使った治療経験の豊富な医師ほど、副作用の見極めとディフェリンの使い方の適切な指導を心得ています。
*但し、ディフェリンを中止する理由がこの薬剤に対するアレルギーでしたら、残念ながら他の治療法を選ばざるをえません。

ディフェリンの知見が高い先生がどの先生かわかりません

美容皮膚科を標榜しているクリニックを選ぶことも(美容への認識が高いため)、医院選びの目安の一つになると思います。また美容皮膚科ならば、ディフェリンも含めたニキビ治療の経験も多いので安心です。(美容皮膚科にはニキビ治療にたくさんの治療メニューがありますので、診察時に保険診療(ディフェリン)で治したいことを伝えるようにしましょう)

また医院だけではなく、医師選びも大切です。
多くの病気と同じく、ディフェリンも治癒までに不安や心配になることがたくさんあります。
医師と患者さんにも相性があります。
親身になって、いつでも相談にのってくれる相性のよい先生を探しましょう。

ニキビ治療に行くと、他の自費診療を勧められそうです

まず予約制なら予約時に保険内の診察を希望であることをはっきりと伝えることです。
それを踏まえたうえで、患者さんの状態に応じて、自由診療をお勧めする場合もあります。
より早くきれいに治せる、医学的によりよい方法がある場合、患者さんにより多くのメリットがあるという確信があるときは、選択肢として患者さんにそれをお伝えすることもインフォームドコンセントの一つではないかと考えています。

当院(かくた皮膚科クリニック)では、特にビタミンC誘導体ローションは併用によってたいへん効果的で費用負担も少ないため、ニキビ治療の患者さんには必ずお勧めしています。
自由診療については、最終的には金銭的な負担を考えて、ご自身でご判断いただくしかありません。
通常の医院では一部エステサロンのように無理にカードローンを組ませて・・・といったことはありません。もちろん医院として、患者さんが断りやすい環境を整えることも最大限に配慮しております。

ビタミンCローションを処方してくれません

一般皮膚科では処方していないところもまだ多いいようですが、たいていの美容皮膚科クリニックではビタミンCローションを処方しています。 自費扱いとなりますので、事前にホームページなどで費用を調べるとよいでしょう。 また店頭などでビタミンC誘導体入りの化粧品を購入される場合、皮膚科処方のビタミンCローションは濃度や成分(ビタミンCの種類)が異なることがありますので、よく確認してから購入してください。

より早く治すには?

まず決められた通りに薬を使用することです。
今日は面倒だから・・・・などというようでは、なかなか効果が出てきません。
また重症例では抗生剤の併用が効果的という発表もあります。
もちろん、薬だけに頼るのではなく、ご自分でニキビができにくい環境を作ることも大切です。
患者さんもご自身でできるニキビ改善の努力をしてください。

ディフェリンゲルの塗り方について
なぜ素肌に塗らずクリームなどを先に塗るのでしょうか?

通常、皮膚科で処方する外用薬は広く塗るものから局所へ塗るものへ順に使用していきます。
そうしないと、部分的に塗ったものがその後に使う外用剤によって必要以上に塗り広げられてしまい、狙ったところから外れてしまったり、粘膜などの塗ってはならない部位にまで塗り広げられてしまうことを防ぐ意味があります。
またディフェリンを後に塗ることによって副作用が出づらくなったという報告もあります。

これは保湿効果によるものだけではなく、ディフェリンの効きがよりマイルドになったということだと推測されます)

ディフェリンゲルはずっと使い続けなければならないのでしょうか?

基本的に症状が落ち着き、患者さんが納得していただいた後も1年を目安に継続していただくことが望ましいです。すでにニキビが目立たなくなっても、毎月ディフェリンとビタミンCローションのみを受け取りにこられる患者さんがいらっしゃいます。

1年間の継続治療の意味は?

ディフェリンは、最低1年は継続していただくようにしています。
「ディフェリンの治癒パターン」のページでも書きましたが、ディフェリンはニキビの新生を抑える働きがあります。そのため、ディフェリン治療を継続的に続けると、新生ニキビが減少し、(たとえ新たにニキビができたとしても)初期段階のニキビに非常に効果的に作用するため、重症ニキビになるまで悪化することは稀です。
そのため、(ニキビの数がゼロにならなくても)お顔の印象(イメージ)が変わってくるのです。

ディフェリンをやめるとまた元に戻ってしまいますか?

結論から申し上げますと、元に戻る可能性もあります。
ニキビの患者さんは、もともと体質的にニキビができやすいということもありますので、薬を止めた後に再発の可能性はあります。
しかし、これまでの治療経験で十分にニキビをコントロールできるようになっていますので、再び薬を使用すれば、以前のようなニキビに悩まされる状態になることはありません。

ディフェリンゲルのニキビ治療で気を付けることはありますか?

眼,口唇,鼻翼及び粘膜を避けて塗布してください。
眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意しましょう。(万一,眼に入った場合は直ちに水で洗い流してください)
また治療期間中は刺激の強い外用剤(化粧品も含む)の使用を中止してください。
具体的には、スクラブ入りの洗顔剤やピーリング作用のある化粧品、アルコールや香料の配合された化粧品などは、刺激感を増すことがあります。
治療期間中は、UVカット剤を使用し、日光又は日焼けランプ等による過度に紫外線に当たらないようにしてください。

ディフェリンゲルが使用できない人は?

妊婦中又は妊娠している可能性のある場合および授乳中は使用できません。
妊娠した場合,あるいは妊娠が予想される場合には医師に知らせるようにしてください。
また12歳未満の小児に対しては使用経験がないため、安全性が確立されていません。

全く副作用が出ないのでかえって不安です

人によって、薬に対する反応は様々ですので気にせずに続けてください。
副作用をまったく感じずにニキビが改善した症例もたくさん存在しいています。
ただし、何も変化がないからといって、UV対策は怠らないようにくれぐれもご注意ください。
(日常生活では、SPF15程度のUVカット剤をお勧めします)

重症のニキビにもディフェリンゲルは効果がありますか

ディフェリンゲルは、特に炎症を起こす前の軽度のニキビに効果的と言われています。
しかし、抗菌剤との組み合わせで重症ニキビに対し、より効果的という報告があります。(東京女子医大川島教授)
現在、認可されているアダパレン濃度が0.1%のディフェリンでは、改善まで時間がかかってしまうことは確かです。もし重症のニキビに対して、より早く効果を実感したいと希望される方は自由診療によるニキビ治療も選択肢の一つとなります。

副作用が出たので、保湿剤を使いました。しかしこれまで使っていた化粧品はヒリヒリして塗ることができません。

治療期間中はこれまで何も感じなかった愛用の化粧品でもヒリヒリと刺激を感じることがあります。
低刺激性の化粧品に変更していただくか、皮膚科で保湿軟膏を処方(保険適用)してもらって使用してもよいでしょう。
具体的には、スクラブ入りの洗顔剤やピーリング作用のある化粧品、アルコールや香料の配合された化粧品などは、刺激感を増すことがあります。
治療期間中は、UVカット剤を使用し、日光又は日焼けランプ等による過度に紫外線に当たらないようにしてください。

治療中の化粧は?

メイクはニキビを悪化させるので「ニキビのある方、出来やすい方は、なるべくお化粧はしないように」という考え方が基本ですが、メイク禁止は患者さんの心理的、精神的ストレスにつながりかえってニキビを悪化させてしまうこともあります。
ベースを薄く、アイラインや口紅などのポイントメイクは濃くして、ニキビに目がいかないように他を強調する「ニキビ用メイク」であれば、ニキビを悪化させず、ストレスも少ないと思います。

思春位のニキビにも有効ですか?
以前、病院でホルモンが原因でニキビができていると言われたことがあります。私にもディフェリンゲルは効くのでしょうか?

角質の肥厚によって、毛穴が詰まるというニキビの発生の原因自体は同じですので、ディフェリンは効果的です。ただし、ディフェリンだけで改善が遅いようでしたら、他の薬との併用をお勧めします。

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